将来のご自身の相続についての対策についてのご相談をうけることがあります。
現時点でできること、むつかしいこと、漠然として結論がでないこと、
まずは、お話を聞いたうえでアドバイスをさせていただきます。
ご相談者様の健康面、財産面、人間関係(親族関係)は様々で、
また、将来どうなるかは誰もわからないものですから、
こうするべきという対策、制度は、相談時点ではみつからない事も多いです。
ただ、人間は年をとり、その時がやってくるものですので、
現時点でできる対策は検討しておいていただくべきだと思います。
◆成年後見制度
◆遺言書
◆信託制度
◆身元引受・身元保証
◆死後事務委任
簡単にいいますと、判断能力が低下した本人を支援するために、身上監護(施設への入所契約等)・財産管理(預金通帳等の管理)を後見人が行っていく制度です。
法定後見・・判断能力は低下した段階で、裁判所に申し立てます。
判断能力の低下の程度により。補助・保佐・後見があり、
どの段階により、支援する人の権限が変わってきます。
任意後見・・判断能力が十分にある段階で、低下したときに備えて自ら後見人を選んでおきます。
相続が発生した場合、まず遺言書があれば遺言書に従い、なければ相続人全員で話し合い(遺産分割協議)をおこない、協議ができない・話し合いがない場合は法定相続や裁判所による手続きとなります。
上記のように遺言書がある場合は、遺産分割協議を必要とせず財産の承継をおこなうことができますので、紛争を防ぐ手段として遺言書作成を検討されます。
(遺言書の有効性をめぐって紛争になることもありますが)
これとは別に、遺言書があると相続人間で話し合いがいらないということは、子供がいない夫婦の場合などに、残された配偶者が相続後の手続きに苦労しないようにしておく手段としても有効となります。この場合は、ぜひ遺言書を作成しておかれるといいかと思います。
投資信託や信託銀行と信託という言葉はよくお聞きになられるかもしれません。
今回説明させていただく信託とは、簡単にいいますと、財産をあずける人と信託契約を結んで、預かった人(受託者)が管理や運用等を行っていくもので、家族信託とよばれることが多いです。
後見制度は、判断能力の低下した本人の意思を尊重しつつ、財産管理等をおこなうというものなので、本人の財産を処分や活用しようと思うと融通がきかない場面がでてきます。
信託では、不動産であれば、受託者に不動産の名義を変更しますので、信託契約の目的範囲内で処分や運用が可能となります。
受託者となってくれる親族などの目途があるか、というのが難しい点かもしれません。
専門家は信託業法の点から、受託者となることはできません。